知る
小原に降り積もる
五百年の歴史
由縁・歴史・年間行事|愛知県豊田市のお寺「大榮山曹洞宗 松月寺」
由緒・歴史
松月寺の由緒
愛知県豊田市小原の山中にある松月寺は、実山全秀大和尚によって天正二年(一五七四年)に開山されました。三河後風土記には天正四年(一三四九年)に開かれたとも記されていますが、詳細は不明です。豊臣秀吉の時代には別の場所にございましたが、一五九〇年以降に現在地にて再出発いたしました。
小原稲荷の由緒
小原稲荷は、平成八年に禅堂の跡地に建立し、愛知県豊川市にある豊川稲荷の〝吒枳尼真天(だきにしんてん)〟のご分霊をお祀りしております。商売繁盛、事業成就などのご利益があることから、会社経営者様から厚く信仰いただいております。
歴史
- 1574年
- 実山全秀大和尚により草建開山。
- 1590年
- 時代の移り変わりに伴い、現在の地にて再興する。
- 1833年
- 現在の本堂を建立。
- 1934~1954年
- 寺の周りに紅葉を移植。
- 1996年
- 小原稲荷を建立、豊川稲荷のご分霊を安置。
守り仏
- ご本尊 釈迦牟尼仏
- ご利益悟り/智慧
お釈迦様(ゴータマ・シッダールタ)そのものであり、仏教の開祖です。
「釈迦族の聖者」という意味を持ち、仏教において最も尊い仏のひとりとされています。
- 七福神
- ご利益商売繁盛/学業成就/縁結び/他
日本で古くから信仰されている福の神達で、恵比寿・大黒天・毘沙門天・弁才天・福禄寿・寿老人・布袋の七柱です。商売繁盛、財運招福などさまざまなご利益をもたらすとされています。
- 弘法大師
- ご利益厄除け/長寿
真言宗の開祖・空海であり、平安時代に唐へ渡り密教を学び、日本に広めました。高野山を開き、多くの人々を教え導いた高僧で、今も信仰を集めています。
- 庚申さま
- ご利益延命長寿/無病息災
道教に由来する神で、悪事を天に告げるとされる「三尸の虫」を防ぐ信仰から生まれました。無病息災や長寿のご利益があるとされています。
- 守り本尊
- ご利益
病気平癒/立身出世/心願成就/他
松月寺の守り本尊は全部で八柱おわし、それぞれ強いご利益を持っています。
当寺にお参りすることで、あらゆるご利益をお授かりいただけます。
- 山中の仏様
- ご利益
記憶力向上/安産/良縁/他
松月寺をぐるりと囲む山中には、自然を感じながら巡れるたくさんの仏様をお祀りしています。時期によっては、美しい桜と紅葉を楽しみながらハイキング気分でお参りいただけます。
住職の想い
- 皆様と、共に
泣いて、笑い合って、
一緒に進んでゆけるお寺へ - 松月寺とご縁を結んでくださり、心より感謝申し上げます。松月寺は草建開山してから約500年が経とうとしています。たくさんの檀家様や近隣の皆様のご協力のおかげで現在に至るまでお寺として歩んでくることができました。 しかし、お寺はかつてのように人が集まる場所ではなくなってきています。何か相談があったり、もしくは何もなくとも行きたくなる、話したくなる。そんなお寺、そんな住職となれるよう、これからも皆様と共に進んでゆける存在でありたいと願っています。
- みんなが参加できる葬儀を
- 松月寺では、葬儀や法要の際に〝みんなで参加できる式〟であることを何より大切にしています。「住職が何か分からぬお経を唱えているのを聞く退屈な時間」ではなく、本来の目的の通り、亡くなった大切な方を想い、その人の為にみんなでお祈りをすること。その為に、お経の現代語訳を配布し全員で読んだり、詠歌を唱え、よりお寺と参列の方との距離が近くなるよう努めています。みんなが決して忘れられない、思い出に残る時間となりますように。
13代目住職
年間行事
- 暦巡り季節が巡る
お寺の行事 - 松月寺では、檀家さん向けの行事から一般の方向けの行事まで、様々な催しを行なっております。お寺が皆様の寄り合いどころとなるよう、今後また新しいイベントを行う予定ですので楽しみにお待ちください。
一月(睦月)
1日元旦祈祷
どなたでもご参加いただけます
二月(如月)
11日(建国記念日)大般若会
施主はお檀家さまが中心ですが、檀家さま以外の方もお申し込みいただけます。
三月(弥生)
21日弘法大師御正当命日
お菓子・供物を持ち寄り、お越しいただいたみなさまにお下がりを差し上げています。(町内主催)
四月(卯月)
8日前後の日曜日花まつり
お釈迦様の誕生日を祝う花まつり。花御堂にて誕生仏に甘茶をかけていただきます。
五月(皐月)
六月(水無月)
七月(文月)
八月(葉月)
10日大施食会
施主はお檀家さまが中心ですが、檀家さま以外の方もお申し込みいただけます。
九月(長月)
十月(神奈月)
十一月(霜月)
月末開山忌(併せて先祖供養)/小原稲荷大祭
施主はお檀家さまと 地区内住民の皆さまが中心ですが、一般の方もお申し込みいただけます。
十二月(師走)
31日除夜の鐘
どなたでもご参加いただけます。
曹洞宗の
教え
坐禅の教え
一口に「禅宗」と言っても、様々な宗派があり、様々な考え方があります。当寺は〝曹洞宗〟、今から約800年前にその礎が築かれ、現在に至るまでご信者様に支られ、両祖の教えを伝えて参りました。その教えの大きな一つが〝坐禅〟です。
曹洞宗とは?
「ただ坐ること」こそが悟りである
- 今から800年ほど前の鎌倉時代に、〝道元禅師〟が仏法を中国から日本に伝え、〝瑩山禅師〟が全国に広められ、曹洞宗の礎を築かれました。曹洞宗の教えにおいて最も大切なこと、それはただひたすらに坐るということです。何か他に目的があってそれを達成する手段として坐禅をするのではありません。坐禅をする姿そのものが「仏の姿」であり、悟りの姿なのです。

祈り続け、五百年
これからも、共に
かつてお寺には子どもたちの笑い声が響き、近所の人たちが語り合う場所で、人々の日常の中には常にお寺がありました。今も変わらず、松月寺は誰もがふらっと立ち寄れる、心休まる場所でありたいと思っています。そして、この先も皆様と共に祈り、一歩ずつ歩んでゆきたいと願います。